モルタルとは
モルタルはセメント、砂、水を混ぜ合わせたもので、建築・土木問わず広く使われる材料です。
主に壁や床の穴を埋める補修材料や、タイルやシートを張る前に下地を平滑にするための不陸調整、コンクリートブロックやれんが積みの下敷きや目地などに使われます。
モルタルの配合
セメントと砂の比率
モルタルのセメント:砂の比率は、 標準仕様書 に記載されています。
モルタルは使用用途によって定められた配合が異なりますが、おおむねセメント1:砂2~3であることが多いようです。
標準仕様書 には『公共工事標準仕様書』と『東京都工事標準仕様書』があり、細かい基準が違っている事があります。
詳細は以下の記事を参照してください。
水の量
モルタルの水の量は、ほとんどの場合、定義されていません。
参考として、『JIS R 5201 セメントの物理試験方法 による強さ試験の供試体用モルタルの配合』では、セメント1:砂3:水0.5となっているため、水の量はセメントの半分とすれば、標準的な強度と考えられます。
特記仕様 で配合が定められていたり、プレミックスモルタルなどでカタログ上に数量が規定されている場合は、その数量を守るようにしてください。
耐力証明が求められるコンクリートについてはこの限りではないため、注意してください。
強度目的では基本的にモルタルは使わない
「このモルタルの強度はいくつか?」という質問がたまにありますが、特別に求められる場合を除いて、モルタルの強度を数値で出すことは少ないです。
これは、モルタルは『意匠』『均し』『かさ増し』『穴埋め』『接着』などの用途が主であり、コンクリートのように強度目的で使うことがないためです。
セメントの性質として、練り混ぜる水を減らし 水セメント比 を下げれば、より硬いモルタルになりますが、耐力証明などが求められる箇所の主原料としてモルタルを使うような事は、基本的にありません。
参考例:モルタルの体積別のセメント・砂・水の数量と計算式
セメント:砂:水が1:3:0.5(JIS R 5201 セメントの物理試験方法)の場合の参考数量は下のようになります。
体積から求める場合の例
モルタル打設例 | モルタルの体積 | セメントの量 | 砂の量 | 水の量 |
---|---|---|---|---|
1M×1M×厚5mm | 0.005m3 | 2.625kg | 7.875kg | 1.3125kg |
1M×1M×厚10mm | 0.01m3 | 5.25kg | 15.75kg | 2.625kg |
1m×1m×厚50mm | 0.05m3 | 26.25kg | 78.75kg | 13.125kg |
1m×1m×厚1000mm | 1m3 | 525kg | 1,575kg | 262.5kg |
セメントの量から求める場合の例
セメントの量 | 砂の量 | 水の量 | 体積 |
---|---|---|---|
25kg | 75kg | 12.5kg | 0.0476m3 |
50kg | 150kg | 25kg | 0.0952m3 |
100kg | 300kg | 50kg | 0.190m3 |
300kg | 900kg | 150kg | 0.571m3 |
※ 一般的なモルタル比重 2.1t/m3として計算した場合
※ 水の分は体積に換算しません
参考例:東京都建築標準仕様書におけるモルタルの配合
・モルタルの調合比率(東京都建築工事標準仕様書)
施工箇所 | セメントの量 | 砂の量 |
---|---|---|
コンクリートブロック 目地用 | セメント 1 | 砂 2.5 |
コンクリートブロック 充填用 | セメント 1 | 砂 2.5 |
コンクリートブロック 化粧目地用 | セメント 1 | 砂 1 |
ALCパネル | セメント 1 | 砂 2.5 |
アスファルト防水 保護モルタル | セメント 1 | 砂 3 |
アスファルト防水 れんが積み用 | セメント 1 | 砂 3 |
ポリエチレンフィルムの押えモルタル | セメント 1 | 砂 5 |
石工事 裏込めモルタル | セメント 1 | 砂 3 |
石工事 敷モルタル | セメント 1 | 砂 4 |
石工事 張り付け用ペースト | セメント 1 | 砂 0 |
石工事 目地モルタル | セメント 1 | 砂 0.5 |
木工事 土台下の充填モルタル | セメント 1 | 砂 3 |
建具周りの充填モルタル | セメント 1 | 砂 3 |
後付けルーフドレンの開口周り充填モルタル | セメント 1 | 砂 3 |
防水モルタル | セメント 1 | 砂 2 |
コンクリート間知ブロックの目地 | セメント 1 | 砂 2 |
インターロッキングブロック、 コンクリート平板クッション材、 空練りモルタル | セメント 1 | 砂 3 |
インターロッキングブロック、 コンクリート平板クッション材、 目地モルタル | セメント 1 | 砂 2 |
外構縁石、側溝 据付用モルタル | セメント 1 | 砂 3 |
外構縁石、側溝 目地モルタル | セメント 1 | 砂 2 |
排水用 桝、グレーチング等用モルタル | セメント 1 | 砂 2 |
・左官工事のモルタル塗り 調合(容積比)、塗厚の標準値等
下地 | 施工箇所 | 下塗り ラスこすり | むら直し 中塗り | 上塗り | 混和材 | 塗厚の標準値 (mm) | ||||
セメント | 砂 | セメント | 砂 | セメント | 砂 | |||||
コンクリート、 コンクリートブロック、 れんが | 床 | 仕上げ | - | - | - | - | 1 | 2.5 | - | 30 |
張物下地 | - | - | - | - | 1 | 3 | - | 30 | ||
内壁 | 1 | 2.5 | 1 | 3 | 1 | 3 | 適量 | 20 | ||
外壁その他 (天井の類を除く) | 1 | 2.5 | 1 | 3 | 1 | 3 | - | 25以下 | ||
ラスシート、メタルラス | 内壁 | 1 | 2.5 | 1 | 3 | 1 | 3 | 適量 | 15 | |
外壁 | 1 | 2.5 | 1 | 3 | 1 | 3 | - | 20 | ||
天井 | 1 | 2.5 | 1 | 3 | 1 | 3 | - | 12 (耐防火上の指定がある場合は20以上) | ||
コンクリート、 コンクリートブロック | 建具枠回り充塡、 ガラスブロックの金属枠回り充塡 | セメント1:砂3 雨掛り部分は、防水剤又は必要に応じて凍結防止剤入りとする。 ただし、塩化物を主成分とする防水剤又は凍結防止剤は用いない。 なお、モルタルに用いる砂の塩分含有量は、NaCl換算で、0.04%(質量比)以下とする。 |
・タイル張り工事の張付けモルタルの調合
施工箇所 | セメント | 白色セメント | 細骨材 | 混和剤 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
張付け用 | 壁 | 密着張り | 1 | - | 1~2 | 適量 | |
改良積上げ張り | 屋外 | 1 | - | 2~3 | 適量 | ||
屋内 | 1 | - | 4~5 | 適量 | |||
改良圧着張り | 1 | - | 1~2 | 適量 | |||
ユニットタイル | 屋外 | 1 | - | 0.5~1 | 適量 | ||
屋内 | 1 | - | 0.5~1 | 適量 | |||
床 | ユニットタイル | 1 | 0.5~1 | 適量 | |||
その他のタイル | 1 | - | 1~2 | 適量 | |||
化粧目地用 | 3mmを超えるもの | 1 | 0.5~1.5 | 適量 | |||
密着張り | 屋外 | 1 | 0.5~2 | 適量 | |||
密着張り | 屋内 | 1 | 0.5 | 適量 |