「アスベスト工事を請けてしまった。何から始めればいいんだ?」
アスベスト関連工事を受注したとき、多くの方がこう思います。
- 事前調査って何をすればいい?
- 報告書の書き方がわからない
- 養生はどこまで必要?
- 産廃処理はどうする?
- 法令違反が怖い
この記事では、公共工事の元請として10年以上アスベスト工事に携わってきた経験から、
受注から完了までの全7工程を、実務で使える具体的な手順とともに解説します。
各工程の詳細記事へのリンク、無料テンプレートも用意していますので、
この記事を読めば、全体の流れを把握し、抜けなく業務を進められます。
全体ガイド:[受注から完了まで、実務の全工程と一連の流れ](現在地)
基礎編:[アスベスト基礎知識]
事前調査編:[書面調査] → [目視調査] → [試料採取] → [分析調査] → [調査報告書作成]
計画書編:[作業計画書作成【書き方】] → [作業計画書作成【具体例】]
除去工事編:[除去工事【養生作業】] → [除去工事【撤去作業】] → [除去工事【産廃管理】]
受注から完了までの項目:作業リスト
アスベストの前提知識
アスベスト(石綿)は、天然に存在する繊維状の鉱物です。
- 使われた理由
- 安価で採掘しやすい
- 燃えない、腐らない、加工しやすい
- 耐久性が優れている
- 規制された理由
- 砕けると極めて細かい繊維になる
- 吸い込むと肺に到達・堆積する
- 中皮腫、肺がん、石綿肺などの疾患を引き起こす
- よって、2006年9月以降は製造禁止となっている
建材として固定されており、損傷や劣化が見られない状態であれば、 通常の使用において飛散の可能性は低いとされています。
ただし、解体・改修時に粉じんが発生すると健康被害の危険があります。
また、解体後の廃棄物も適切な管理を行わないと、 漏出や分別の不備による混入で環境被害を生じ、 場合によっては重い社会的責任を追及されます。
そのため、適切な調査と対策が法令で義務付けられています。
詳しいアスベストの基礎知識は以下を参照してください。
事前調査
石綿障害予防規則により、2023年10月以降に行う建物の解体、改修工事について、金額・規模に関わらず全ての案件で「工事対象にアスベストが含まれていないかどうか?」を調査する『事前調査』を行うことが義務付けられています。
第三条 事業者は、建築物、工作物又は船舶の解体又は改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)の作業を行うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、当該建築物、工作物又は船舶について、石綿等の使用の有無を調査しなければならない。
4 事業者は、事前調査のうち、建築物及び船舶に係るものについては、前項各号に規定する場合を除き、適切に当該調査を実施するために必要な知識を有する者として厚生労働大臣が定めるものに行わせなければならない。
事前調査は、以下のステップで行います。
- 書面調査:図面や資料、ヒヤリング(打合せや聞き取り)などからの情報収集。
- 目視調査:実際に現地の建物に赴いて、実物を見て状態、状況の確認。
- 試料採取:目で見ただけでは判別できない建材の部分採取。
- 分析調査:部分採取した建材を調査機関に送付、調査依頼をし、出た報告書から実態の把握を行う。
書面調査
事前調査とは、「実際に現地へ行く前に、その案件についてできる限りの情報を集め、次工程の目視調査に向けた準備をする」という作業です。
- その調査は、誰が、何のために行うものなのか?
- 改修工事のため?解体工事のため?調査そのものが目的?
- どこの、何を調査したいのか?
- 場所はどこか?建物の内部か外部か?高所なのか?建材はどうやって採取する?
- いつの建物なのか?
- 2006年9月[平成18年]以降に石綿(アスベスト)は製造されていない。
- その他事項
- いつまでに調査してほしい?時間指定は?曜日指定は?作業の制約はあるか?
これらの情報をできる限り集めることで、後の工程である目視調査の合理化、効率化を図ります。
現場に行ってから、動き方に迷ったり困ることがないように予習をしておく準備段階です。
必要な道具、調査に当たる人数、発注者は何を求めているか、などを明らかにしておきましょう。
- 書類の請求(設計図、竣工図、過去の調査記録など)
- ヒヤリング(現場状況、案件内容、調査の目的、注意事項などを聞く)
- 調査範囲の選定(図面や仕様の確認、発注者から聞く、図面から割り出すなど)
- 目視調査の計画(日時設定、調査部位選定、道具の選定、手順の検討)
書面調査についての詳しい解説は、下記を参照してください。
目視調査
目視調査は、「実際に現場へ行き、書面調査で得た情報と照合しながら、建材の実物を確認、判別する」という工程です。
- 書面調査の内容と相違ないか?
- 図面やヒヤリング(打ち合わせ)と違うところは無いか?
- 調査対象の建材は、予測されたものと同じか?
- 既に改修されていたり、資料が古いなどで建材が違っている可能性もある。
- 過去調査済みで結果が出ている箇所は、改めて調査結果と合っているか?
- 改修工事などは、工事のたびに無含有の再証明も行う必要がある。
→2006年9月以前の建材は「以前に調査済みで無含有でした。なので再調査は不要です」とはならない。
- 改修工事などは、工事のたびに無含有の再証明も行う必要がある。
- 目視でわからない建材の洗い出し。
- 採取調査の要、不要の判断を行う。
- みなし含有か、採取調査するかの判断、および発注者への説明を行う。
→石綿撤去工事の数量が多ければ採取調査、少なければみなし含有の方がコスト的に有利な場合が多い。
「わからない」「安く済ませたい」「面倒」などの理由で安易な判断をすると、後に大きな責任に発展するため、この工程で確実な根拠となる情報を取得、記録します。
特に公共工事では、採取調査を行わない場合の無含有判断について「なぜ、無含有としたのか?」という100%の確信に至れる証拠を求められます。
撤去工事が終わってしまってから「やはり含有可能性があった」では大ごとになるため、無含有の判断は慎重に行ってください。
- 施設の確認
- 外観(構造、外壁仕上)
- 調査箇所の確認(部屋名、箇所など)
- その他(バルコニー、軒下、屋上、外構など)
- 現場調査
- 建材の性状(材質)確認
- 事前情報と合っているか
- ボードなどの場合、点検口などから裏面は見られるか
- 改修跡はあるか
- 調査報告書に記載する情報の取得
- 調査箇所リストに対する現状、写真撮影
- 試料採取が必要な箇所、位置の記録、写真撮影
- その他、現場についての所感、現地で得られた情報、調査項目の判断根拠
目視調査についての詳しい解説は、下記を参照してください。
試料採取
目視調査の一環として、見ただけでは含有の判別ができない建材を、一部採取(切り取り、削り取りなど)して分析機関へ依頼する工程が試料採取です。
- ばらけた箇所からの採取
- 複数個所から採取する場合、成分の偏りをなくすため、散らした箇所から採取を行う。
- 採取跡の補修
- 採取箇所は建材に穴が開くため、景観のための補修方法を検討しておく。
- 完了後の清掃
- 「アスベストかもしれないもの」を切り出すため、清掃は確実に行う。
- 作業後に粉や埃が残っていると利用者や発注者に不安を与え、クレームにつながる。
- 採取箇所の選定
- 何か所の採取が必要か?(分析機関が求める大きさ、個数)
- どこから採取するのか?(運営中の建物の場合、利用者に影響を及ぼさない場所)
- 飛散、暴露防止措置
- 周囲養生、部外者の立入禁止、マスク等の着用、湿潤化
- 採取作業
- 建材の採取(切り取り)
- 床や周囲の備品は汚損させないか?
- 適した道具は選定されているか?必要以上に周囲を破損させないか?
- 梱包、送付
- 郵送、輸送、運搬中に破砕、漏出しない梱包が行われているか?
- 紛失や混同しないよう、名称記入やナンバリングはされているか?
- 有害物質の可能性は明示されているか?
試料採取についての詳しい解説は、下記を参照してください。
分析調査
試料採取の検体を分析した機関から報告書を受け取り、精査する工程です。
分析調査は試料採取を行わずに完結した調査など、行わない場合もあります
調査者としては、受け取った報告書を右から左で発注者へ流すのではなく、必ず内容を見て確認しなければいけません。
- 書面調査、目視調査でも石綿含有状況がわからなかった場合、分析調査を行う。
- わからない建材を無含有にすることはできない。
- 含有状況がわからない建材は試料採取→分析調査。
- 受け取った内容は必ず確認する。
- 調査者として結果の把握が重要。
- 発注者などから質問を受けた際に答えられない、などが露呈すると不信感を生む。
- 分析方法の確認
- 定性分析、定量分析など。どちらでも良いのか?発注仕様に定義されているのか?
- 発注者の予算感覚の確認
- 分析調査は1箇所ごとに金額が掛かる。採取者の判断で検体を増やすと高額になってしまう。
- 報告書納期の確認(分析機関に確認、発注者へ報告)
- 分析機関への送付~報告書受取まで早くても1週間くらい、標準で2週間程度掛かる。
- 結果が出るまで待てるのか?急ぎの場合は『みなし』で対応するのか?
- 報告書の妥当性、整合性の確認
- 報告書の情報は現場のものと合っているか?試料取り違えの可能性はないか?
- 成形板に「アモサイト」など不自然な部分、要検討箇所はないか?
- 見立てではほぼ含有なのに「無含有」など、確実な判断のために再確認を行うべき箇所はあるか?
分析調査についての詳しい解説は、下記を参照してください。
調査結果報告書の作成
事前調査を行ったら、その結果として『調査結果報告書』を作成します。
- 事前調査は、調査結果報告書の作成を念頭に置いて行う。
- 調査が終わってから、報告書の記入情報に抜けがあり、もう一度行く。は非効率。
- 報告書は将来に渡り保管される。
- 建物が存続する改修工事なら、報告書は運用資料として保管され続ける。
- 後続の業者や担当者が見てわかるように、具体的に記述する。
- 含有、無含有の判断根拠はしっかり記載する。
- 過去記録の確認により無含有とする場合は、その旨を明示。
- 図面からの建材名で判定、目視調査で建材の刻印から判定、採取調査により判定、なども明示。
- 誰が、どのような考えでそう判断したのか、の責任の所在を明らかにする。

以下の工事では、労働基準監督署への報告が義務付けられています。
労働基準監督署や自治体の担当課から、実際に「事前調査をしましたか?報告書があるなら見せてください」というような連絡が来ることもあるため、最低限説明のつく資料は作っておきましょう。
- 建築物の解体工事(解体作業対象の床面積の合計80m2以上)
- 建物床面積80m2以上(土地面積ではない)の家屋の解体工事など
- 建築物の改修工事(請負代金の合計額が税込み100万円以上)
- 工作物の解体・改修工事(請負代金の合計額が税込み100万円以上)
調査結果報告書の詳しい作り方は、下記を参照してください。
また、調査結果報告書のExcelテンプレートを以下で配布しています。必要な方はご利用ください。
目視調査総括票の作成
調査報告書を書く際、その中のひとつに目視調査総括票という、記載項目の多い書類があります。
この目視調査総括票は「建物の敷地面積」や「建築年月日」など調べにくい項目が多いため、空欄ばかりになりがちです。
しかし、項目の意味や正しい書き方を知っておくことで、悩む時間がなくなり作成の効率化になります。

各項目の解説と作り方の記事は、下記を参照してください。
目視調査総括票は、国土交通省で体裁を配布しています。
また、当サイトでも編集しやすいようセルを分けて書き起こした物を配布しています。
どちらもExcelシートで便利です。
国土交通省:現地調査総括票
https://www.mlit.go.jp/common/001064666.xlsx
解体等工事に係る事前調査説明書面の作成
公共工事では、事前調査を行って工事に入る前に「解体等工事に係る事前調査説明書面」の作成を求められることが多いです。
これは
調査者「調査しました。その結果を報告、説明しました」
発注者「説明を受けて、了承しました」
というやり取りをした証拠として残す書面です。
工事前に事前にこの書面を交わしていないと、検査で指摘事項になる事もあるため、注意してください。
解体等工事に係る事前調査説明書面の体裁は、下記でダウンロードできます。
アスベスト除去作業計画書の作成
アスベストの除去作業を行う際は「アスベスト除去作業の作業計画」を作ることが、大気汚染防止法施行規則・石綿障害予防規則にて定められています。
公共工事やレベル1が絡む案件は、労働基準監督署や担当監督員の検査を受ける場合もあるため作成は必須です。
また、その他の作業でも作らなくてもよい、という基準はないため準備段階で必ず用意してください。
- 工事概要
- 発注者情報(名前、所在、代表者)
- 工事場所、案内図、配置図など
- 石綿含有建材除去等作業(除去工事の内容)
- 作業種類(除去、封じ込め、囲い込み)
- 養生方法(負圧隔離養生、隔離養生[負圧不要]など)
- 作業期間、作業箇所、石綿含有建材の種類、作業数量
- 石綿飛散防止措置(具体的手順と作業方法)
- 作業フロー、実際の現場でどう動いて養生や撤去を行うかの具体的手順
- 粉じん発生抑制の方法(飛散防止剤の散布方法など)
- 工事の工程表
- 施工体制
- 石綿除去工程に関わる各事業者の責任者、作業主任者などが網羅されたもの
- 安全衛生
- 労働者への暴露防止方法、保護衣、防塵マスクなどの使用の有無、管理方法
- 災害防止(転落、墜落、転倒など)熱中症予防対策等
計画書の作成に悩み過ぎて本来の解体作業に支障をきたすのは本末転倒ですが、最低限、作業手順としての意味を持った作業計画は、すぐに出せるようにしておきましょう。
除去作業計画書の解説と作り方の記事は、下記を参照してください。
石綿除去作業計画書の体裁は、下記でダウンロードできます。
作業実施の届出
作業の対象に以下の物が含まれる場合は、作業開始の14日前までに作業の届出を行わないといけません。
- 「石綿含有吹付材」(レベル1)
- 「石綿含有保温材等」(レベル2)
届出の様式と方法は下記を参照してください。
・特定粉じん排出等作業(アスベスト)に係る届出等 → 各都道府県
アスベスト除去工事(養生作業)
アスベスト撤去工事で行う養生の方法と使用する養生材は、公的な基準により分類が決められています。
作業計画書の作成段階で、撤去工事の内容に応じた養生方法を決めておきましょう。

養生作業は、アスベスト含有建材の粉じんや破片を外へ持ち出さないための、最も重要な工程のひとつです。
特にケイ酸カルシウム板第一種(軒天や天井に多い、一般的な内装材)はレベル3でも隔離養生(負圧不要)が必要です。
アスベスト作業は飛散防止の証明のため、工程写真を求められる事が多いため「作業前・後」「養生状態」「使用材」「重ねしろ」などを取り逃さないようにしてください。
- 石綿含有吹付【レベル1】
- 負圧隔離養生
- 石綿含有保温材等【レベル2】
- 切断などを伴う:負圧隔離養生
- 切断などを伴わない:隔離養生(負圧不要)
- 例:屋根用折板(せっぱん)裏の断熱材を、剥がさずに屋根材ごと撤去など
- 配管フランジの両端など、石綿箇所に触れない箇所での切断:通常の養生
- ケイ酸カルシウム板第1種【レベル3】
- 切断などを伴う:隔離養生(負圧不要)
- 切断などを伴わない:通常の養生
- 石綿含有成型板等【レベル3】
- 通常の養生
- 石綿含有仕上塗材
- 電動工具を使う:隔離養生(負圧不要)
- 電動工具を使わない:通常の養生
アスベストのレベルや建材ごとの養生方法、使用する養生材についての詳しい解説は、下記を参照してください。
アスベスト除去工事(撤去作業)
養生作業までを終えたら、事前に作成を行っている作業計画書の手順に応じて、アスベスト含有建材の撤去を行います。
撤去作業の間は、各種掲示物の表示と立石禁止措置を行うことが、石綿障害予防規則と労働安全衛生法により規定されています。
アスベスト含有建材の撤去は、原則として電動工具を使わない手ばらしで行ってください。
アスベスト作業は厳密な管理が要求され、公共工事の検査では特に注意深く見られるところでもあります。
そのため、各手順の写真は必ず網羅するように細かく撮影してください。
- 準備工
- 事前調査の完了(必須)
- 作業計画書の作成(必須)
- レベル1、レベル2の場合は作業の届出(必須)
- 掲示物の設置、掲示
- 事前調査の結果及び作業内容等の掲示
- 立入禁止措置
- 作業計画に則った適正作業
- 養生作業
- 保護衣着用
- 撤去作業
- 飛散防止剤噴霧
- 工事写真撮影
- 産業廃棄物処理
- 袋詰め、梱包、
- 必要な場合、発注者、労働基準監督署などの立合い確認
- 作業主任者や現場代理人などの完了検査、引渡し
- レベル1,2(負圧隔離養生の内部)
- 服装:フード付き保護衣(JIS T 8115)
- マスク:電動ファン付き呼吸用保護具
- レベル3(ケイ酸カルシウム板第一種の切断等を伴う解体)
- 服装:フード付き保護衣(JIS T 8115)
- マスク:電動ファン付き呼吸用保護具
- レベル3(石綿含有成型板等)
- 服装:保護衣または作業衣
- マスク:取替え式防じんマスク(RS3 又はRL3)
- 石綿等の除去等以外の作業(採取調査など)
- 服装:保護衣または作業衣
- マスク:取替え式防じんマスク(RS2 又はRL2)又は使い捨て防じんマスク
アスベストの撤去作業についての詳しい解説は、下記を参照してください。
産業廃棄物の管理、処分
アスベスト含有建材の撤去工事で発生した廃棄物は、定められた方法で袋詰めをして、保管・廃棄を行います。
袋詰めする廃棄物は撤去材だけではなく、使用した養生材や保護具なども対象であり、石綿含有廃棄物等として扱います。
- 撤去した石綿含有廃棄物
- 廃石綿等(主にレベル1)
- 石綿含有建材
- 撤去した養生材
- 使用済みの保護具、マスク
- HEPAフィルタ付き真空掃除機のフィルター
- 負圧の場合、吸引装置のフィルター

そのほか、特別管理産業廃棄物管理責任者の配置や、保管場所の掲示、運搬状況の確認など「撤去して終わり」ではなく、アスベスト作業は廃棄物の管理まで求められます。
- 資格者配置の確認
- レベル1,2は『特別管理産業廃棄物管理責任者』が必要
- 発生材の梱包、保管
- 専用プラスチック袋による袋詰め
- 保管場所を示す看板の掲示
- 石綿含有廃棄物であることの掲示
- 契約した処理業者への運搬、引渡し
- 積載重量の確認(過積載の防止)
- 計量票の受領
- 最終処分場の追跡写真
- マニフェストの交付、保管
アスベスト廃棄物の取扱い方法についての記事は、下記を参照してください。
作業の記録、保存
アスベスト関連工事の実施状況と作成された資料は、大気汚染防止法第18条、大気汚染防止法施行規則第16条、石綿障害予防規則第35条にて、保管が義務付けられています。
各法令には保管する内容が細かく定められていますが、要約したものを下記に記します。
保管は紙・データどちらでも問題ありません。
保管には期限があるため、それを過ぎたものは保管義務は無いことになります。
ただし、それに依らなくても、これからの社会で情報は貴重な財産であるため、間違っても捨ててはいけません。
あなた自身やあなたの活動の記録は存在するだけで価値があるので、期限に関係なく大切に保管しましょう。
特定粉じん排出等作業の実施状況と関連状況、作業の組織体制
保存期間:工事終了後3年間
- 事前調査報告書
- 作業計画書
- 事前調査説明書面
- 発注者、元請業者、施工業者の代表名、所在地、連絡先
- 工事写真台帳
- 施工体制台帳
- 工程表
- 各業者間や発注者との契約書、注文書、注文請書、資格者証
- 検査が行われた場合、証明の交付証や記録となるもの
- 産業廃棄物処理業者との契約書、許可証、マニフェスト
作業の従事者に関する記録
保存期間:工事終了後から40年間
- 事前調査報告書
- 従事した作業員の名簿
- 従事させた作業内容
- 作業期間
- 工事写真台帳
- 石綿に関する労働災害が起きた場合、その対策、措置の内容
※ つまり、「工事記録は全部ずっと取っておけ」という事です。
まとめ:この記事の概要、効率的な業務の進め方
事前調査を効率化する:
- 報告書作成を念頭に調査する(二度手間を防ぐ)
- 要な道具、書類を事前に洗い出す
- テンプレートを活用(当サイトで無料配布)
記録と根拠の明確化する:
- 判断根拠を必ず記録:「なぜそう判断したか」を明示
- 報告書は具体的に記述:将来の担当者も理解できるように
- 工事写真は全工程を網羅:養生、撤去、廃棄の証拠
法令遵守:
- 事前調査の義務
- 作業計画書作成の義務
- 資格者配置の義務
- 養生方法、作業方法、保護衣の規定
- 産廃の管理方法
- 作業記録の保管の義務
公共工事の本質:
「実際に法令を遵守しているか」以上に「遵守していることを記録で証明できるか」が重要。
この記事の手順に沿って進めれば、 自信を持って行政の検査に臨めます。
各工程の詳細は関連記事で解説していますので、 品質を高めるために活用してください。




























