アスベスト(石綿)とは
アスベスト(石綿)は、もともと自然に存在する天然の鉱物であり、蛇紋石などの岩石が高熱により溶解、圧縮されてできたと考えられている綿状・繊維状の鉱物です。
アスベストはなぜ使われていたのか
アスベストは繊維状の鉱物ですが、簡単に採掘でき、加工性が良く、燃えず、腐らず、薬品に侵されず、電気を通さず、他の素材と融合させやすく、耐久性も優れているため、夢の資源とされ、建材はもちろん、船舶・電車・車両の部品、機械設備の材料など、世界中のあらゆる分野で利用されてきた歴史がありました。
アスベストはなぜ駄目なのか
アスベストは、衝撃を与える、握りつぶすなどの力を加えた場合、その繊維が砕け、極端に小さな破片となって空気中を漂う、という特徴があります。
本来、人体は埃やごみを吸い込むと、気道の粘膜や繊毛などでそれらを取り除く機能がありますが、アスベストは極端に細かく砕ける性質のため、人体のフィルターをすり抜けて肺まで到達する事があります。
砕けたアスベストが肺に到達すると、肺は異物を感知して、外敵を吸収・溶解させるために白血球を戦わせますが、アスベストは岩であるため、白血球は負けてしまい膿のようになり肺に残り続けます。
この負けて残り続けた白血球が堆積することで、肺の中で炎症を起こし、将来的に多くの病気を誘発させます。
このことが明らかになった後で様々な経緯を得たのち、日本では平成18年9月(2006年9月)に全面的に製造・使用が禁止され、一部特例を受けていた製品に関しても平成24年3月(2012年3月)に完全に禁止となりました。
アスベストの健康被害
一般的に、アスベストの健康被害は、たばこの半分と言われています。
アスベストを吸い続けるのと、たばこを吸い続けるのでは、たばこの方が2倍病気のリスクがあるという事です。
ただし、たばこは本人の意思で吸うのに対し、アスベストは自分が悪くなくともその環境にいるだけで曝露してしまう、という問題はあります。
実際の健康被害には肺がん・中皮腫・じん肺などがあり、過去に『アスベストの製造工場に勤めていた』や『アスベストを取り扱った職人をしていた』などの理由で長期的に曝露していた場合は、概ね20~40年で肺がんや中皮腫を発症する、と言われています。
アスベストは、砕けた破片を長期的に吸い込むことで健康被害を起こします。
よく、放射線などと混同し「危険なので直ちに避難や撤去が必要ではないか?」と言われる事がありますが、『屋根裏に使っている』や『天井や壁のボードに含まれている』のような安定している状態のまま存在している場合は、それが原因で大きな病気になるという訳ではありません。
何かのきっかけで破損したものが近くに有ったとしても、それだけで影響の出る可能性は低いです。
しかし、上記の通り、有害性は確かに有しているため、身近に使用されていて心配な場合は、資格を持った専門業者へ依頼して撤去を行うことが、安全面からも推奨されています。
建材では主にどこで使われているか
アスベストが含まれている建材の中で代表的なものが以下となります。
アスベストは特に平成初期以前では普通に使われていたものなので、古い建材の解体などでは注意が必要です。
(資格者以外での撤去工事は違法となります。)
アスベストはあらゆる物に使われていたため、このリスト以外でも疑わしいものがあった場合は調査を行うことを推奨します。
アスベストには危険度(飛散しやすさ)によりレベル1~3までの等級が定められており、レベル1になるにつれて危険度が上がります。